「3時になったらいちご大福作ろうな〜」
と妹の息子に語りかけるおふくろ。と、聞いてないが作り方を語りだした。
「5個入りの大福買ってきて半分に切るねん」
「そこに買って来たいちごを突っ込んで閉じたら出来上がりや」
「近所の若いお母さんにあげたら喜んでたで」
と、自慢げである。なんでも、その母親が言う事には、そんな方法を考えた事もなかったという事だが、たしかに、俺も考えた事はなかった。というか、いちご大福なんて3回くらいしか食べた事がないし。
「へえ、なんかうまそうな」
「そうやろ、3時になったら作るさかいな」
とニコニコしながらご満悦である。まあ、俺が居るから思ったより子守りが楽なせいもあるが、おふくろとゆっくり話するのも久しぶりである。
非常に申し訳無いと思うのだが、実家になかなか来れないので今日は俺もほっとした昼下がりを過ごしているのである。
さて、3時。
これは難しい。半分に切って、いちごを突っ込むのは簡単だが、閉じるのにあんこが邪魔して閉じれない。いや、俺は男だから閉じる方法を知らない。そもそも、餃子やあんこもち作った事ないぞ・・・
おふくろは、実は中華料理の達人で、義理の兄弟にマジに大阪で5本の指に入る中国人のコックが居た。当然、餃子なんかお手のもので、というかそのへんでは絶対に食えない絶品の水餃子が作れる人なのである。
「あんな、最初にあんこを奥のほうに突っ込まなあかん」
「でないとひっつかへんからな」
できねーよ、おふくろ。
「あとはねじって粉かけてほら」
次々と丸いいちご大福が出来上がる。しかも、これがうまい。もともとあんこが好きだけれど、過去3回食べたのはうまかったけれど上品過ぎるたような気がする。
これはあんこの後にいちごがはっきり別々に味を主張しているが、俺はとてもおいしいと思った。
「な」
と、おふくろは笑いながら俺の目の奥を読んでいた。
この人にはやっぱ勝てんわ・・・。
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at 2009-04-05 17:46
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独り言 : 徒然
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