2階で仕事していると、下から奥さんが、
「玄関に鳥居てる」
「え゛???」
「糞だらけやねん」
彼女が言うには、玄関が糞だらけだったので、ドアを開けたまま掃除 していて、中に入ってふと見たら自転車のかげに居たそうです。
見ると、隅っこに、ちょこんとこっち向いて見てるんですよね。
「捕まえて」
一瞬なんの事か理解できなかったですが、手を伸ばすと・・・・逃げます。それでもなんとかそおっと手に取ると なんと弱々しく、ほのかにあったかい。てのひらに直接動物の体温を感じたのはいったいいつの事だったか記憶がありません。みすぼらしく、羽根がぼろぼろ。
「誰にやられたんや・・・」
と、てっきり何かに襲われたのだと思いました。とにかく、こんな経験は初めてなのでじっと自分の手の中で横たわってる生き物を見つめていると・・・
「トクン」
と心臓の鼓動が指から伝わってきます。横で奥さんがなんかグチ言ってますが、こっちはウワの空。この時点で正直「世話したい」と心のどこかにあったとは思いますが、目の前には奥さんという現実が。
一人暮らしならしばらく一緒に暮らしてたでしょうね。
で、どうしようと考えながら、これが雛で巣から落ちて迷い込んだのだとだんだん頭が理解し、玄関の前で立ちつくしていると複数の鳥の声が頭上からします。一羽なんか、口になにか虫かみみずかなんかをくわえているし、急に雛が鳴きながら暴れたので、持ち直していると、 その声に反応しているし・・・
あきらかに親鳥かその関係者達だと思いました。あるいは同種の雛の声に反応しただけかもしれませんが、その時の複数の鳥の動きから、どうやらすぐ目の前の竹やぶの中に巣があると思いました。
とにかくそれで我に返り、雛をバケツに入れました。
さて。
これがまた実に可愛いのなんの。
真っ黒な瞳と、小さな体。歩くのではなく飛び跳ねて移動します。 一瞬竹やぶへ連れていくのを躊躇し、地面の上にバケツを置いて眺めていると、小さなバケツなのでジャンプして飛び越えてぴょんぴょんと向かいの家の玄関のほうに行きます。
このへんは猫が徘徊しているので、やっぱりまずいと思い直して再びバケツに入れて竹やぶのほうへ。竹やぶは私有地なので囲いがされていて、一応人間は来ないですが、雛の将来は考え無い事にしました。
とにかく、
「たのむぞ、おまえら」
と、上空で鳴く同種らしき鳥達に向かって心の中でつぶやいてました。
そして、数時間後そこへ見に行ったのですが動く影は無く、やはり鳥達がそのへんを飛び回っていたので、どこかに巣があるかもしれません。でないと、ウチの玄関までたどり着くという事実には無理があるのです。
嘘みたいな出来事ですが、今でも雛の心臓の鼓動がてのひらの中の感触 として残っていて、愛しいと言うか、切ないというか・・・
はあ・・・・
です。
posted by
at 2009-05-27 11:49
|
独り言 : 徒然
|

|